前回の福島・被災地報告 (南相馬の津波被害) のことは原発事故に隠れ
余り知らされてなかったので、その現状を一人でも多くの方々に伝いたいと思い
しばらく更新せずと決めていました。
そのため 久しぶりの更新 です。
『考・風評』
大震災の “あの日” から2年が経過。
メディア各社は、東北の被災地3県の様子をこぞって報道した。
被災されて故郷から離れることを余儀なくされた方々から発せられる声、
「何も進まない」、「何も変わらない」、「お金はいらないから震災前の生活に戻し
て欲しい」 等々に胸が痛みました。
こうした報道の中、3年目の年に向け、生産と消費の中間にいる者として注視し
ようと思っていたのは今も無くなることなく続いている 『風評被害』 のことです。
では実際の報道はどうだったか。
私が見聞した中では、福島のリンゴ農家・北茨城の漁業組合の2件が取り上げら
れ、放射性物質は基準値以内にもかかわらず注文が激減、価格が下落という内
容であった。
反面、「風評被害を無くすにはどの様にしたら良いのか」 というメディア側からの
提言は無く、残念に思いました。
そこで今回は、 “私が考える風評被害の一因” を述べることにしました。
≪私が考える風評被害の一因≫
生産者が悪いことをした訳では無いのに、生産者は風評被害に苦しんでいます。
その原因は、 国 (行政) が的確な情報伝達や指導を怠ったことが一番の要因で
すが、販売業者・消費者にもその一因があることを認識しなければならないでしょう。
「販売業者」 … (1) イメージが悪い、敬遠される、売れないという理由で
取り扱いを止めてしまう “利益優先主義” の考え方。
(2) 平成24年4月1日から適用された “食品中に含まれる放射性
セシウムの新基準” を一部の企業がすべてを受け入れず、
企業独自の基準を設け、消費者の判断を混乱させたこと。
「消費者」 … (1) 国は当てにならないという思いと、何が正しいのか分からないと
言うことから、新たに適用された新基準(放射能)のことは
もう聞きたくないという方が多くなった。
(2) 新基準が適用された経過 及び その意味・内容を改めて復習
し、知識の見直しを図る必要がある。
風評の一因を認識しなければならないのは、国・販売業者・消費者だけではない。
国や東電と同じく責任を問われるのは、メディアである。
「メディア」 … (1) 平成24年に新基準が適用されたましたが、それを記事として
載せるのは事実なので問題ないのですが、その記事に担当の
記者が自分の意見を載せると何か問題が出た時には書いた
記者の責任問題になるので、突き詰めた記事は書けないのだと
取材に来た記者から聞かされた。 ⇒ それはおかしい。
(2) 新基準の記事を読んだ消費者が一番知りたいのは何でしょうか。
『放射性セシウムが基準値以内の食品を一年間食べ続けた時、
それは私達の身体にどれだけの影響があるのか』 と言う点で
あります。 ⇒ どこの社も この点の説明はしていない。
(3) 震災後、半年以上 連日連夜に渡り原発事故のことを報道し、
いろいろな情報を流し続けたことが今日の風評被害の根幹と
なっている。
したがって、メディア (TV・ラジオ・新聞・雑誌等) 各社 は
この点を大いに自覚し、反省すべきです。
そして責任を誰かに押し付けるのではなく、メディア同士が連携
し、今月はA社、来月はB社というように交代で新基準の内容・
意味等を繰り返し周知・復習させる報道を自ら進んで行なうべき
と思います。
以上、いろいろ述べてしまいましたが、お互い人間同志それぞれの立場の人が理解
し合い、一つに向き合うことができれば、風評は無くなって行くのではないでしょうか。
そして最後に自分のこと、 “私は何をどうするか” 。
「私」 … (1) 普段の生活 ⇒ 家族と話してますが、福島産の食材を進んで
購入し、『食べて応援』 です。
(2) 自分の仕事(店)⇒ 今までと変わりなく福島の生産者と交流を深め、
都会の人達へ状況を伝えながら継続して産物を
取り扱い、食べて応援して頂ける “応援団” を
増やしていきたいと思っています。
産地が潰れて一番困るのは都会の人達ですから。
(3) その他 ⇒ 都会に住んでいると自分の中で震災のことが風化
しはじめ、被災地への想いが薄れてきているように
感じます。
この先も忘れることなく、被災地に温かい目を向け
ることを、そして少しでも風評がなくなるよう努力して
いこうと思います。

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